日本政府も働き方改革を掲げ、効率化の象徴として進めているIT化を進めていますね。
クラウドソフトを導入する企業が多く出てきて、クラウド型のソフトが定着してきた感がありますが、実際に使いこなしている会社はどれぐらいあるのでしょうか。
業務効率化の期待を持ってソフト導入を決断しますが、現実はクラウドソフトを導入すれば効率化されるという訳ではありません。
業務内容とそれぞれのシステムの特性を理解し、最大限活用する方法を解説していきます。
何のためにクラウド化するの?
クラウド化の目的は何でしょうか。大多数の企業が効率化を理由としてあげるでしょう。しかしかし、クラブのソフトを導入しただけでうまく効率化ができてない会社をよく見かけます。
クラウドの特性を十分に理解し、最大の効果を得られるようにするには、システムに合わせて業務スキームを最適化する必要がある点を見落としがちであるように思います。
クラウドの仕組み
クラウドとは、パソコン上ではなくインターネット上のサーバーにデータを保存して、そこにデータを見に行くシステムです。
昔は、パソコン端末本体にソフトをインストールして、その端末にデータを保存するのが普通でしたが、インターネットの高速化に伴い、ストレスなく情報のやり取りができるようになったのが普及の要因であると思います。
つまり、インターネットさえ繋がれば、どこでも同じ環境で作業ができるようになる。これがクラウドの最大の特徴と言えるでしょう。
クラウド化メリット
クラウド化のメリットは大きく2つあります。
1つ目は、自社でサーバー設備を持つ必要もなくなります。
設備を持たず、利用料として変動費化することができます。
2つ目は、インターネットさえつながる環境があれば自宅やカフェなどどこからでも同じ環境で仕事をすることができます。
業務効率化を追求するのであれば、こちらの特性にフォーカスして最適化を行うことが必要であると思います。
3つ目には端末にデータを残さないため、ノートパソコンを紛失した時などにリスクを最小限に抑えられます。
クラウド化のデメリット
暗号化されるとはいえインターネットを介して重要な情報やり取りするので、一定のセキュリティリスクはあるでしょう。
また、インターネットが繋がらないと作業そのものが出来ない点もデメリットです。
クラウドを最大限活用するには
クラウドを最大限活用するためには、クラウドの最大の特徴である、どこに行っても同一の情報にアクセスができると言うメリットを最大限意識する必要があります。
例えば、経理の現場のお話を例に上げます。
営業部門から売上や仕入れの伝票を紙で受け取り、ファイリングして会計ソフトに打ち込みます。給与計算をして紙で給与明細を作って従業員に渡します。
営業部門から売上や仕入れの伝票を紙で受け取り、ファイリングしてクラウド会計ソフトに打ち込みます。給与計算をして紙で給与明細を作って従業員に渡します。
上記の。2パターンを比較しても、会計データを打ち込む先が変わるだけで、何一つ効率化がされてないのがわかりますね。
①営業部門から売上や仕入れの伝票を、PDFファイルでインターネット上のフォルダに入れてもらいます。
②フォルダは種類別、時系列でフォルダを整理して必要なデータにアクセスできるようにします。
③指示や確認事項は、chatwork等のツールを使用することで文字情報とファイルのデータを連動させることができます。
Cの事例のようなスキームを取り入れれば、事務所に行く必要がなくなり、クラウド上にファイル名やフォルダを分けて保存することで紙のファイルも必要がなくなります。
AからBへ移行した場合は、クラウドソフトを導入しただけであり、作業内容や工数はまったく変わっていません。上記の場合、クラウド型のソフトに変えてクラウド化したと言っているケースがあります。
メリットといえばインターネットを介して会社の外から帳簿が見られるぐらいでしょうか。
クラウド化のメリットを最大化するのであれば、Cの事例のように同じ空間にいなくても作業が進められるぐらいのスキームを整備することが重要。
ここまですると、事務所に出勤して作業する必要がなくなり移動時間が削減されます。さらには子育て中のママなどまとまった時間が確保できないスタッフの活用も可能となります。量を細かく分割して割り振りすることができることで多くの働き方の選択肢が生まれてくると思われます。
それこそが最大のメリットではないかと思います。
クラウドソフトを導入する前にクラウド化する目的を明確にし、目的達成の為に業務のスキームを組み替えるぐらいの覚悟を持つことで、効率化が図られると思います。
まとめ
とりあえず、お金をかけてITを導入すれば効率化が図れると言うのは間違いだと思います。
クラウドの特性をきちんと理解して、最大限効果を得られるようにスキームを作らなければ、ちぐはぐなシステムが出来上がります。
安易な導入をせずに、全体最適を計るよう進めていってくださいね。