小さな組織を強くする。開業前に知っておきたいノウハウ。

たのしい経営

中小企業あるある話

バックオフィスの効率化。中小企業が経理をアウトソーシングすべき理由。

小学生の頃、日本における3大義務を学んだのを覚えてますでしょうか。
「勤労の義務」と「教育の義務」とともに、
日本国憲法第30条に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と明記されています。

日本において事業を行う場合は、日々の取引を帳簿にまとめ、決算書を作成し税務申告を行う必要があります。
個人であっても確定申告、確定申告を行うことで国に収支を申告し納税をしなければいけません。
これは、事業規模にかかわらず必ず行わなければならず、やらなければペナルティを受けることになります。
中小企業には一部手続きを簡素化する特例があったり、税率が優遇される支援策はありますが、事業が大きくても小さくても、最低限の帳簿を作り年次申告は行わなければいけません。

決算申告は誰がやるの

決算書や申告書の作成は原則は事業者が自ら行い申告を行います。
しかしながら、日本の税法は極めて複雑であり、申告書を正しく作り正しく税金を計算して事業者自身が納税まで行うのは困難と言えます。
自己申告の制度を取っておきながら、複雑な税金計算のルールを守った正確な申告が求められる。
間違えて少なく税金計算をしていれば後から指摘を受けて延滞税を付けて修正申告をしなければいけない。
経営や会計の世界にいる筆者から見ても非常に酷な制度だなと常々思っています。

とはいえ、きちんと申告、納税をしなければペナルティを受けてしまう為、やるしかありません。
日々の記帳は自社の経理社員が行うことが多いですが、正しく納税を行うためには税理士等の専門家の力を借りるのが一般的です。

会社内の経理担当が記帳を行う

経理社員を雇いてお金に関わる業務を行えるのが理想ですが、開業当初は社長が自ら記帳を行ったり社長の近親者が担うことが多いです。
事業の拡大とともに、処理量は増加とともに資金繰りが安定はじめる頃には、経理処理の量も増えてくることで社長が片手間で処理を行えなくなり、他人に任せるようになっていくのが一般的です。
経理と一言で言ってもやらなければいけないことは多岐に渡ります。

・請求書の発行・送付
・給与計算・振込
・社会保険申請・支払
・税金の計算・支払
・会計ソフトへの記帳
・取引先への支払
・公官庁への報告・申請書類等

上記はどこの会社にでもある主な処理ですが、細分化するとかなりの数の処理が発生します。

経理業務は業務量の調整が難しい

経理業務は処理すべき仕事量と、処理をするマンパワーの調整が難しい仕事です。
経理業務は事業規模の大小に関わらずやらなければいけない項目の数は概ね同じです。
取引の量、従業員の人数、振込の件数等、増えれば増える程やらなければいけない処理が増えます。

専任の経理を雇うとの人手が余る

開業当初は仕事そのものが少ない為、経理処理自体は非常に少ないです。
記帳代行業務を受けている私の感覚では、年間売上1,000万円に満たないような小規模な法人であれば、月間の経理処理は2〜3時間でした終わってしまうなんてこともザラにあります。
規模が小さい会社で経理社員を1人雇っても暇で仕方ないという状況が生まれてしまいます。

知識と経験がないと完結できない

いくら開業直後であっても、処理しなければいけない処理や手続きの種類が減る訳ではありません。
いつまでに何をしなければいけないか、処理の全体感を理解してなければ仕事は完結できません。
大きな会社であれば処理すべき仕事が多いので、経理部長を頂点としたチーム化が出来る為、新人社員や派遣社員など受け身な状態でも仕事をすることが出来ますが、一人いれば十分に処理が可能な量であれば一人で全て担うしかない状況が生まれます。

1人で経理業務を完結できる知識や経験が必要なのに、処理すべき仕事量が0.2人分しかない。
そんな不経済な状況に陥ってしまうのが創業当初の経理業務なのです。
いくら量が少なくても指示待ちの経理社員が1人だけいても処理は完結できません。

アウトソーシングという選択肢

経理のアウトソーシングは会社規模が小さいうちは合理的な判断です。
経理社員を雇用すれば社会保険を考慮すると最低でも月25万円程度の費用が発生し、かつ一定レベル以上の知識がないと業務が完結できないという事態に陥ります。

会社で直接雇用すれば人1人分の時間や人件費単位が最小単位になりますが、経理代行サービスを利用することで、経理のプロの組織の一部を間借りすることが出来ます。
仮に、1カ月分の会計処理が1日で終わるような処理量の会社であれば3~5万円程度で外注することも可能でしょう。
経理をアウトソーシングすると費用が下がるというのはこうした理由によるものです。

税理士に依頼する

会計の記帳業務は税理士事務所に依頼することが可能です。
多くの事務所で職員を雇っており日常業務や記帳業務の代行をしています。

設立当初で処理量が少ないうちは、10万円前後と非常に安い金額で記帳を含めた申告業務を受けてくれることがあります。
創立年度は、売上や経費、従業員も少ないことが多く、実質的に1日で会計の入力業務が終わってしまうこともよくあります。

お金や会計を扱う仕事であり毎年税理士を変えることも考えにくいので、開業直後の処理が少ない時は安くても受けてしまおうという点と、処理量が少ない場合は他人が打ち込んだ会計データをチェック、修正するよりも最初から会計事務所が和で打ち込んだ方が早い場合も多く、設立初年度や消費税申告がない年間売上1,000万円以下の小さい企業が破格の年間数万円で記帳から申告まで受けてくれる理由です。
ただし、事業規模の拡大とともに記帳代行費用が跳ね上がったり、記帳代行を受けてもらえなくなることで、自社の経理に移行することが多くなります。
処理量や売上高の増加とともに間違いなく料金は上がっていきますが、割り切って記帳代行もまるごと依頼してしまうのも一つの手段であると思います。

ただし、税理士によっては記帳代行を受けてくれない事務所もあります。
所長税理士が1人で営む事務所や職員が少ない事務所では、記帳代行を受けてしまうと仕事を受けられる会社数が大幅に減ってしまう為、経理社員が会社の業務を記帳したものに対してアドバイスを行い、コンサルティングや申告業務を主軸にしているのが主な理由です。

経理代行会社に依頼する

税理士事務所以外にも経理代行サービスを展開している会社が存在します。
経理代行サービスを行っている会社では、会計の記帳のほか、給与計算、振込、請求書作成など、税理士事務所よりも提供するサービスの範囲が広いのが一般的です。

こういた話をすると、経理代行サービスの方がサービスの業務範囲が広いように思えますが、申告書の作成や代理申告の権限は税理士の有資格者にしかありません。
税務申告まで依頼したい場合は提携している税理士がいるかどうかも確認しておく必要があります。

逆に、記帳代行の依頼を受けていない税理士に既に依頼をしているような場合でも、経理代行サービスは単体で依頼できます。
何を依頼したいのかを明確にしたうえで外注先を検討してくだし。

バックオフィス全てを外注できない

経理代行会社のホームページを見ていると、バックオフィスの社員を置かずに丸投げしてしまえるような印象を受けます。
経理代行サービスは会計ソフトへの入力や給与計算、振込等、メニューにある経理~総務にあたる処理や申請は完結してくれます。

しかしながら、会計処理を行う為の元になる資料は会社側で用意する必要があります。
会社への電話対応や書類の取り纏めなど、社内資料などの雑務全てを記帳代行業者で解決出来る訳ではない点は注意が必要です。

まとめ

記帳代行サービスは上手に使えば適切に会計処理を行いながらコストを抑えることができ、非常に有益ななサービスであると言えます。

記帳代行会社のホームページに丸投げみたいな記述をよく見かけますが、会計入力の元になる会計資料は会社側から出さなければエスパーではないので会計のプロといえども何もできません。
記帳代行を依頼したとしてもバックオフィスの作業が丸々なくなる訳ではないので注意が必要です。

実際にあったのが今月末で経理社員が退職になりますので、担当者から引き継いでください。社長の私は経理のことは何もわかりません。
という状況があった場合、請求書や領収書の取り纏めて送付、振込先の管理や勤怠の管理等の会計資料の確認や準備をするのは社長自身が行う必要が出てきてしまう点、注意が必要です。
当然ですが、資料を集めに何度も会社を訪問する必要があれば普通に考えれば料金は跳ね上がります。

面倒に感じることは多いと思いますが、コストを抑えてスムーズに会社運営を行う為には外部のサービスも上手く使っていって頂ければと思います。

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